大麦β-グルカンとは?
大麦β-グルカンはグルコースが多数結合してできた高分子多糖類です。大麦の他に各種の穀物、キノコ類、酵母に含まれていますが、それぞれ構造が異なり、健康機能も異なります。大麦に含まれるβ-グルカンには、以下の3つのチカラがあります。
「おなかの環境を整える」
「糖の吸収を抑え、血糖値の上昇を穏やかにする」
「血中のコレステロールを低下させる」
わたしたちの腸内には非常に多くの腸内細菌が生育していて、この腸内細菌のバランスと健康は密接に関係しています。
大麦βグルカンにはプレバイオティクスと言って、腸内の善玉菌を増殖・活性化する効果があります。
小腸で分解・吸収されなかった大麦βグルカンは、大腸でビフィズス菌などの善玉菌の栄養になり、
短鎖脂肪酸を産生して排便を促進することが知られています。
短鎖脂肪酸は大腸や消化管の動きを活発する働きや、ミネラルの吸収を促進すること、糖や脂質の代謝を調節する働きがあります。
以上のことから、便秘解消などの整腸作用が期待できるというわけです。
大麦βグルカンは水を含むとゼリー状になるため、糖質などを包み込んで吸収を穏やかします。すると、血糖値は緩やかに上昇していきます。さらに大麦βグルカンのすごいところは、次の食事までその効果が持続されることです。これをセカンドミール効果といいます。
これらの理由から、大麦βグルカンは糖尿病など血糖の病気予防につながると考えられています。
どうして血糖値が急に上がるとダメなのか?
食事を摂取すると、その糖を取り込もうとインスリンが分泌されます。インスリンは血糖値が上昇すると膵臓から分泌され、血液中の糖を全身の細胞へ運ぶ働きがあります。しかし、急激に血糖値が上がるとインスリンがたくさん分泌されてしまい、この状態が繰り返されるとインスリンが効きにくくなるため、糖が血液に常にたくさんある状態(高血糖)になります。高血糖が続くと血管や神経にダメージを与えてしまいます。これらのことから、急な血糖値の上昇は好ましくないとされています。健康診断で「血中コレステロールが高い!」という結果が来たことはありませんか?
大麦βグルカンは性別やライフサイクル問わず、LDL(悪玉)コレステロールが高めの方に対し、血中コレステロールを下げる効果が確認されています。
コレステロールは全身の血管をつたって細胞膜やホルモンの原料になります。しかしそれが多すぎるとドロドロとした血液になってしまい、動脈硬化や心筋梗塞の原因になる恐れがあります。
このコレステロールですが、からだにあるほとんどは肝臓でつくられたもので、小腸で再吸収されリサイクルしています。
βグルカンはこの再吸収を抑えて、コレステロールを体外に出す働きとコレステロールの合成を妨げる働きがあるため、LDL(悪玉)コレステロールを下げることができるのです。